一輪の花を君に。
「どっちにしろ、理人や翔太に話す時は、私が美空のフォローに回るよ。」




「香音。」




「美空、今日いつでもいいから1度皆で集まって話すといいよ。」





「分かりました。」





「香音、美空が話せなくなったら、しっかりサポートしてあげてね。」




「もちろんです。でも、七瀬先生はその時いないんですか?」




「こういうことは、私がいない方がちゃんとそれぞれが考えてくれると思うの。私が口を挟んでしまうと、圧をかけるみたいになっちゃうからね。だから、皆でちゃんと話し合って。」






「はい。」




「よし。朝ご飯出来てるから、リビング行こう。」





「「はい。」」





それから、朝食を済ませてから、理人や翔太にいう覚悟を決めた。





「翔太、理人、大翔。ちょっといいかな?」




大翔「美空?どうした?」




「話があるんだけど…。」





大翔「分かった。」



翔太「結構、重要な話なら1度外に出よう。」





翔太は、私の表情から読み取ってくれた。




香音「…美空?海岸に行く?」




理人「美空が、話しやすいところでいいんだよ?」




「ありがとう。でも、ここで平気だよ。」




私はもう、病気のことを隠すつもりはない。




だから、あえてここを選んだ。




リビングは、皆が集まる場所でもある。



朝食を済ませてから、テレビを見る子や勉強を始める子もいる。



大翔「ここでいいの?」



「うん。」



私は、自分の椅子に座ってから、1つのテーブルを囲むように皆もいつもの場所に座ってくれた。
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