一輪の花を君に。
ーside美空ー


朝の光に私は目を覚ました。



「美空、おはよう。」



「香音。おはよう。」



「昨日は、大丈夫だった?」



「あっ、香音。昨日起こしちゃったんだね。ごめんね。」





「そんなこといいよ。そんなことより、まだ顔色悪くない?休んでな。」




「大丈夫。」




「だめだって。すぐ無理するんだから。」




香音は、いつになく私を心配してくれている。




その姿が、七瀬先生と重なった。




「ふふっ」



私は、思わず笑ってしまった。



「え!なに?」




「いや、香音が七瀬先生に似てきたなって思って。」





「七瀬先生と!?」




「七瀬先生も、誰かが具合悪くなると、そんな感じじゃない?」





「あー、言われてみればそうだね。」





すると、誰かがドアを叩いた。




「はい。」




「ちょっと、失礼しますね。」




入ってきたのは、理人や翔太、大翔だった。





香音「どうしたの?」




理人「いや、昨日千鶴先生に新しく住む家を見に行ってきなって言われて、美空の体調次第だったんだけど、大丈夫か?」




「大丈夫。」




大翔「明日にしよう。」





「え?」




大翔「全く、美空は。そんな顔色悪いのに、何が大丈夫だよ。皆で、明日行こうな。」



大翔は、そう言って私の髪をクシャッと撫でた。





翔太「香音、そういえば西森先生が探してたけど。」





「えっ?私を?」





翔太「うん。香音も、具合悪いのか?」




「いや?私は元気だけど。」




翔太「そうか。何の用かは、分からないけど行ってきなよ。」





「うん。じゃあ、また後でね。」
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