一輪の花を君に。
ーside美空ー
「君、大丈夫?」
誰かに呼ばれた気がして、私はゆっくり瞼を開けた。
顔を上げると、見覚えのない人がいた。
大丈夫って…?
どういうこと?
そんなことを考えていると、発作がすぐに起きた。
「大丈夫!?
もしかして、喘息持ってる?」
私は、その人の問いかけに頷くことが精一杯だった。
吸入をしているのに、収まりようのない発作。
苦しくて、怖くて。
もう、どうなってもいいって思ってこの電車に乗ったはずなのに。
それなのに、どうして?
「たす…け…て…。」
目の前の、医者であろうその人に私はそう必死に訴えていた。
「大丈夫、君を助けるよ。」
その人は、優しく私の背中をさすりながらも吸入を行ってくれた。
「水か何か、持ってるかな?」
水?
そういえば、今日は喉が乾燥してたから持ってきた。
リュックの中にある水を取り出した。
「よかった、飲める時に飲んでみようか。」
何とか、咳は収まった。
「落ち着いたみたいだから、次の駅で降りようか。」
私は、ホームの待合室の椅子へ腰を下ろした。
幸い、この時間は誰もいなかった。
「一応、病院に行こうか。発作がひどかったし今も顔色が悪いから。
どこの病院に通ってるか、教えてくれる?」
病院の名前を言ったら、きっと中森先生に連絡されるよね…。
「迷惑かけて、すみませんでした。でも、もう大丈夫ですので。」
「ちょっと、待って。
主治医に、連絡するのが嫌だったら私が勤めている病院でちゃんと診させて。」
「見ず知らずの人に、ついていけません。」
「あ、遅くなっちゃったね。
私は、中森匡史(なかもり まさふみ)と言います。呼吸器内科で中森総合病院の主治医してます。」
「君、大丈夫?」
誰かに呼ばれた気がして、私はゆっくり瞼を開けた。
顔を上げると、見覚えのない人がいた。
大丈夫って…?
どういうこと?
そんなことを考えていると、発作がすぐに起きた。
「大丈夫!?
もしかして、喘息持ってる?」
私は、その人の問いかけに頷くことが精一杯だった。
吸入をしているのに、収まりようのない発作。
苦しくて、怖くて。
もう、どうなってもいいって思ってこの電車に乗ったはずなのに。
それなのに、どうして?
「たす…け…て…。」
目の前の、医者であろうその人に私はそう必死に訴えていた。
「大丈夫、君を助けるよ。」
その人は、優しく私の背中をさすりながらも吸入を行ってくれた。
「水か何か、持ってるかな?」
水?
そういえば、今日は喉が乾燥してたから持ってきた。
リュックの中にある水を取り出した。
「よかった、飲める時に飲んでみようか。」
何とか、咳は収まった。
「落ち着いたみたいだから、次の駅で降りようか。」
私は、ホームの待合室の椅子へ腰を下ろした。
幸い、この時間は誰もいなかった。
「一応、病院に行こうか。発作がひどかったし今も顔色が悪いから。
どこの病院に通ってるか、教えてくれる?」
病院の名前を言ったら、きっと中森先生に連絡されるよね…。
「迷惑かけて、すみませんでした。でも、もう大丈夫ですので。」
「ちょっと、待って。
主治医に、連絡するのが嫌だったら私が勤めている病院でちゃんと診させて。」
「見ず知らずの人に、ついていけません。」
「あ、遅くなっちゃったね。
私は、中森匡史(なかもり まさふみ)と言います。呼吸器内科で中森総合病院の主治医してます。」