一輪の花を君に。
#7
「美空…、おーきーて!!」
騒がしい声が聞こえて、私は目を覚ました。
「皆、どうして?」
「どうして?じゃないよ!どれだけ心配したと思ってるのよ。」
「香音…。心配かけてごめんね。」
「いいよ。でも、もう絶対いなくなったりしないでね?」
「うん。私は、これからも皆と一緒にいたいから、絶対にいなくなったりしないよ。」
「美空、朝の回診に来たよ。」
「はい。」
「皆、美空の診察をしたいから1度廊下に出てもらって大丈夫?」
「はい。」
中森先生は、そう言ってからカーテンを閉めて診察を始めた。
「美空、ちゃんと見てもいいかな?」
「え?」
「今まで誰にも裸を見せたくなかったんだよな。
だから、いつも服を浮かせるだけの診察にしていたことを覚えてるかな?」
「そうでしたよね…。」
「たしかに、見られるのは嫌だよな。
でも、俺はちゃんと向き合いたいんだ。」
中森先生の瞳は、真剣で興味本意なんかじゃなかった。
今まで、傷を隠し続けてきた。
興味本意で、色んな大人に傷を見られてきた。
いつだってそうだった。
私の気持ちと向き合おうとした人がいただろうか。
傷を見たら、満足して帰っていったんだからそんな人は1人もいるはずがないよな。
その大人達は、学校の教員や私達みたいな子供を、メディアに取り上げるような記者。
「分かりました。」
中森先生なら、傷を見られても平気な気がした。
「ありがとう。ゆっくりでいいから、脱いでもらっていいかな?」
中森先生に、そう言われ私は意を決してパジャマのボタンに手をかけた。
下着1枚になった時、先生は優しく抱きしめてくれた。
「ありがとう。
それじゃあ、診察を始めるね。」
そう言うと、いつも通りの診察が始まった。
「傷は、そう簡単に消えたりはしないけど、その傷跡も一緒に治していこうな。」
「治るんですか?」
「ああ。治るよ。」
私は、嬉しかった。
今まで、この体に刻まれた傷が、唯一あの父親を思い出させていた。
それが、なくなるなら嬉しい。
「それじゃあ、熱もないし今日は安定しているようだから、病棟内なら自由にしてていいよ。」
「え!
散歩してもいいんですか?」
「ああ、廊下だけならな?
外は、まだ寒いから行ったらダメだよ?」
「はい!」
「それじゃあ、何かあったらすぐに連絡してね。」
「分かりました。」
私の返事を確認してから、先生は微笑んで私の髪を撫でてから部屋を後にした。
騒がしい声が聞こえて、私は目を覚ました。
「皆、どうして?」
「どうして?じゃないよ!どれだけ心配したと思ってるのよ。」
「香音…。心配かけてごめんね。」
「いいよ。でも、もう絶対いなくなったりしないでね?」
「うん。私は、これからも皆と一緒にいたいから、絶対にいなくなったりしないよ。」
「美空、朝の回診に来たよ。」
「はい。」
「皆、美空の診察をしたいから1度廊下に出てもらって大丈夫?」
「はい。」
中森先生は、そう言ってからカーテンを閉めて診察を始めた。
「美空、ちゃんと見てもいいかな?」
「え?」
「今まで誰にも裸を見せたくなかったんだよな。
だから、いつも服を浮かせるだけの診察にしていたことを覚えてるかな?」
「そうでしたよね…。」
「たしかに、見られるのは嫌だよな。
でも、俺はちゃんと向き合いたいんだ。」
中森先生の瞳は、真剣で興味本意なんかじゃなかった。
今まで、傷を隠し続けてきた。
興味本意で、色んな大人に傷を見られてきた。
いつだってそうだった。
私の気持ちと向き合おうとした人がいただろうか。
傷を見たら、満足して帰っていったんだからそんな人は1人もいるはずがないよな。
その大人達は、学校の教員や私達みたいな子供を、メディアに取り上げるような記者。
「分かりました。」
中森先生なら、傷を見られても平気な気がした。
「ありがとう。ゆっくりでいいから、脱いでもらっていいかな?」
中森先生に、そう言われ私は意を決してパジャマのボタンに手をかけた。
下着1枚になった時、先生は優しく抱きしめてくれた。
「ありがとう。
それじゃあ、診察を始めるね。」
そう言うと、いつも通りの診察が始まった。
「傷は、そう簡単に消えたりはしないけど、その傷跡も一緒に治していこうな。」
「治るんですか?」
「ああ。治るよ。」
私は、嬉しかった。
今まで、この体に刻まれた傷が、唯一あの父親を思い出させていた。
それが、なくなるなら嬉しい。
「それじゃあ、熱もないし今日は安定しているようだから、病棟内なら自由にしてていいよ。」
「え!
散歩してもいいんですか?」
「ああ、廊下だけならな?
外は、まだ寒いから行ったらダメだよ?」
「はい!」
「それじゃあ、何かあったらすぐに連絡してね。」
「分かりました。」
私の返事を確認してから、先生は微笑んで私の髪を撫でてから部屋を後にした。