一輪の花を君に。
俺は、美空の抱えていた大きなことに気づけなかったことをとても悔やんだ。



食事制限だってあったのに、どうして気づかなかったんだろう。



元々、美空はあまり食べる方ではなくて、むしろ食事はいつも少なかった。




俺は、今まで美空の何を見てきたんだよ。





俺は、気づいたら美空のいる浜辺へと走っていた。





浜辺へ着くと、小さい後ろ姿があった。





美空は、小さい頃からギターが大好きでいつもここにギターを弾きに来ている。





美空の優しさが、音にも現れていることが分かるくらいに、ギターの音色は優しい音だった。





「美空。」





後ろから声をかけられると、美空はいつも驚いてしまう。





だから、いつもこうして美空の視界に入るように声をかける。
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