探し屋さんと僕の奇妙な日常

question01:鍵の無い箱と、困惑の初日

所変わって五階建てマンションの四階の角部屋
安永千春さん宅
「依頼の箱を見せていただきたいのですが」
店長は敬語が不得意らしい。
慎重に言葉を選んでる
「あ、これです」
依頼人の安永さんは自然に話す
「祖父が亡くなって、開けられる人も居ないのでお願いした次第です。」
一見普通の箱。
一通り眺めた後
「ちょっと時間がかかりそうなので、持ち帰らせてもらってもいいでしょうか?」
「全然構いませんよ」
箱を丁寧に鞄にしまった
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