歪んだ愛の結末は。
その日、私は奇妙な黒い生物が部屋を高速で走り回るのを見て、悲鳴をあげた。

いつもは瑞穂さんが来てくれるはずだけど、今日は違った。
入ってきたのは、きれいな白髪の男の子だった。

「お、お兄様....?」

間違いない、写真に写ってたお兄様だ。
私は飛び付きたい勢いだったけど、女性としての態度を思いだし、こらえた。
人に好かれるためには大和撫子のような女性が好ましいと、本に載っていたから。

「君が...莉菜?」

初めて、お兄様に名前を呼ばれた。

「はい。」

お兄様は黒いカサカサしたものを近くにあった本で叩き潰した。

「怖かった?」

「はい。ありがとうございます。」
< 183 / 232 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop