歪んだ愛の結末は。
「何となく、わかってた。莉菜は蓮に会ったときから僕だけを見てくれないって。」

「うん。」

私は繋がった二つの手を見つめた。

「でも、本当の僕を見てくれた莉菜がいなくなるのは寂しくて、少し意地悪したんだ。」

「うん。」

お兄ちゃんは振り向かない。
私の手を引いたまま、どんどんあるいていく。

「やり過ぎて、莉菜を壊した。あのときは気づかなかったけど、僕って相当バカなことしてたんだよね。」

「うん。」

「だから、次会うときは笑顔にするって、思って....」

「うん。」

「いろんな勉強したんだ。心理学に哲学、親父の後も継いだ。」

「うん。」

「でも、やっぱり勝てないの...?」
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