始まりは、嘘。
事の始まりは、一週間前。



その日はたまたま、委員会の仕事で帰るのが遅くなり、明かりのない暗い道を通って帰っていたときだった。





「ねぇねぇ君、今1人??俺たちと一緒に楽しいことしない??」


突然肩を触られ、私は鳥肌が立つのがわかった。



……こわい。





心細くて、震えそうになるのを必死に堪えて、


「……や、」




「ん??なぁに??」


「……やめ、」




やめて、と言おうとした瞬間に、腕をぐいっと引かれた。



周りから見れば、私は後ろから抱きしめられているようで、

「お、おい、お前彼氏いたのかよ」





……え??



「俺が彼氏だけど。……ごめん、やっぱ送って帰る」

「チッ、つまんね、もう行こうぜ」



私が状況を把握できずにいる中、男たちは去っていった。




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