メガネの王子様
*****
「おはよー、萌香。」
元気よく教室に入って来て挨拶をする陽葵。
昨日に引き続きメイド服に着替えた陽葵はツンデレな感じが超可愛い///
「おはよ。今朝はいつもより遅かったね。」
「そう?ちょっと寄り道してたからかな?」
「寄り道?」
「ううん、何でもない。それより、今日は制服のままでいるの?」
「うん。」
クラスの皆んなが衣装に着替えている中、私だけが制服だった。
昨日みたいに絡まれるといけないから、チャイナドレスは着なくていいってことになって、正直、ホッとしてるんだ。
「ちょっと…萌香っ、その唇どうしたの?」
陽葵が私の切れた唇に気付き、顔をぐっと近づけてくる。
「あはは…近いよ、陽葵。」
笑いで誤魔化しながら、陽葵の顔を手で押し退けた。
「ちゃんと説明してくれるよね?」
ニッコリと笑った陽葵の笑顔が怖すぎる…
この笑顔のときは今までの経験上、素直に言うことを聞かないと非常にややこしいことになる。
私は昨日の放課後に、清宮先輩のファンであるリカさん達に屋上に呼び出されたこと、絡まれてることろを桐生が助けに来てくれたこと、あと…………
また、桐生にキスされて…
あいつの唇に噛みついてやったことを話した。
「ぷっ、あははっ。反撃したんだ、萌香。桐生もバカだねー。」
「笑い事じゃないよぉ。マジで大変だったんだから。」
「ゴメン、ゴメン。いやー、午後から何か起こりそうで楽しみだわー。」
「何が?陽葵の言ってることが全く分からないんだけど?」
「ふふふ…内緒。」
陽葵が唇に人差し指を当てて、ニタニタと笑って答える。
今の陽葵は、とっても謎だ………。
なんてことを思いながら、何気に見た教室のドアから桐生が入ってくるのが見えた。
「おはようございます、神崎さん。」
何もなかったかのように、いつも通りに挨拶をしてくる桐生。
私は無視して他の友達の輪の中に逃げ込んだ。
なんで普通なの?
構わないでって言ったのに話し掛けて来ないでよっ。
桐生のことなんて忘れたいのに…
あいつの顔を見るだけで、あの声を聞くだけで、胸が高鳴ってしまう。
そして……同時に私のことを何とも思っていないことを思い出し、今度は胸がズシンと重くなり疲れる。
こんな状況からは早く抜け出したい。
あと、どのくらい桐生との距離をとれば、あと、どのくらい桐生のことを考えなければ、この苦しさから解放されるんだろう……。
♪♪♪?♪♪♪?…
LIMEの着信音が鳴り制服のポケットから取り出し確認をする。
…清宮先輩からだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
| おはよ。 |
| 今日13時から俺らのステージがあるから |
| 絶対に見に来てね。 |
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーー
| 了解です。 |
| 楽しみにしてます。 |
ーーーーーーーーーー
LIMEをすぐに返してスマホを制服のポケットにしまう。
昨日、あんなところを目撃してもなお、私のことを諦めずに追ってくれる清宮先輩。
優しくてイケメンで少し強引で、ときどき可愛い仕草もする人…
私のことを好きでいてくれる人。
こういう人と一緒にいる方が楽なのかも知れないーーーーーーーー
「おはよー、萌香。」
元気よく教室に入って来て挨拶をする陽葵。
昨日に引き続きメイド服に着替えた陽葵はツンデレな感じが超可愛い///
「おはよ。今朝はいつもより遅かったね。」
「そう?ちょっと寄り道してたからかな?」
「寄り道?」
「ううん、何でもない。それより、今日は制服のままでいるの?」
「うん。」
クラスの皆んなが衣装に着替えている中、私だけが制服だった。
昨日みたいに絡まれるといけないから、チャイナドレスは着なくていいってことになって、正直、ホッとしてるんだ。
「ちょっと…萌香っ、その唇どうしたの?」
陽葵が私の切れた唇に気付き、顔をぐっと近づけてくる。
「あはは…近いよ、陽葵。」
笑いで誤魔化しながら、陽葵の顔を手で押し退けた。
「ちゃんと説明してくれるよね?」
ニッコリと笑った陽葵の笑顔が怖すぎる…
この笑顔のときは今までの経験上、素直に言うことを聞かないと非常にややこしいことになる。
私は昨日の放課後に、清宮先輩のファンであるリカさん達に屋上に呼び出されたこと、絡まれてることろを桐生が助けに来てくれたこと、あと…………
また、桐生にキスされて…
あいつの唇に噛みついてやったことを話した。
「ぷっ、あははっ。反撃したんだ、萌香。桐生もバカだねー。」
「笑い事じゃないよぉ。マジで大変だったんだから。」
「ゴメン、ゴメン。いやー、午後から何か起こりそうで楽しみだわー。」
「何が?陽葵の言ってることが全く分からないんだけど?」
「ふふふ…内緒。」
陽葵が唇に人差し指を当てて、ニタニタと笑って答える。
今の陽葵は、とっても謎だ………。
なんてことを思いながら、何気に見た教室のドアから桐生が入ってくるのが見えた。
「おはようございます、神崎さん。」
何もなかったかのように、いつも通りに挨拶をしてくる桐生。
私は無視して他の友達の輪の中に逃げ込んだ。
なんで普通なの?
構わないでって言ったのに話し掛けて来ないでよっ。
桐生のことなんて忘れたいのに…
あいつの顔を見るだけで、あの声を聞くだけで、胸が高鳴ってしまう。
そして……同時に私のことを何とも思っていないことを思い出し、今度は胸がズシンと重くなり疲れる。
こんな状況からは早く抜け出したい。
あと、どのくらい桐生との距離をとれば、あと、どのくらい桐生のことを考えなければ、この苦しさから解放されるんだろう……。
♪♪♪?♪♪♪?…
LIMEの着信音が鳴り制服のポケットから取り出し確認をする。
…清宮先輩からだ。
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| おはよ。 |
| 今日13時から俺らのステージがあるから |
| 絶対に見に来てね。 |
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| 了解です。 |
| 楽しみにしてます。 |
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LIMEをすぐに返してスマホを制服のポケットにしまう。
昨日、あんなところを目撃してもなお、私のことを諦めずに追ってくれる清宮先輩。
優しくてイケメンで少し強引で、ときどき可愛い仕草もする人…
私のことを好きでいてくれる人。
こういう人と一緒にいる方が楽なのかも知れないーーーーーーーー