メガネの王子様
*****
只今の時刻は12時55分。
ちょうど体育館の真ん中の1番端の席に、私、陽葵、健ちゃんの準備で椅子に座って次の公演が始まるのを待っていた。
あと5分で清宮先輩たちのバンド演奏が始まる。
体育館は立ち見の人が居るくらい大盛況だ。
ぐるっと一周見渡せば、ほぼ女の子で埋めつくされていた。
さすが、清宮先輩。
モテますな。
しばらくすると灯りが落とされ、暗幕が上がると同時にステージにライトが当てられた。
清宮先輩と3人の男の人が現れ「ワー」と歓声があがる。
センターでギターを持った清宮先輩が、スタンドマイクをポンポンと軽く叩く。
「えーと、今日はオレ達のライブに来てくれてありがとうございます。
短い時間ですが、皆んなで盛り上がっていきましょうっ!」
清宮先輩の挨拶が終わり、ドラムの人がスティックを鳴らし演奏が始まる。
ギターを弾きながら歌う清宮先輩。
凄くイキイキしていて楽しそうで…
こんなキラキラしている先輩、初めて見た。
「清宮先輩…カッコいい///」
無意識に私の口から言葉が零れる。
こんな素敵な人に告白されただなんて信じられないな…。
盛り上がったまま演奏が3曲終わって、清宮先輩がスタンドからマイクを外し手に持った。
「すげー楽しいーっ!皆んな、今日はオレ達に付き合ってくれてありがとうございますっ!」
飛びっきりの笑顔で挨拶をした清宮先輩。
「キャー」と女の子達の黄色い声が体育館を支配する。
「ーーで、付き合いついでに、オレのプライベートトークにも付き合って欲しいんですけど…いいかな?」
今度は照れ臭そうに笑って言うと、会場から「いいよー」と返事が返ってくる。
「アハハ…ありがとうございます。
えっと…実はオレ、今まで色んな事にいい加減な男だったんだよね。
彼女を作っては、また違う彼女を作ったりして…。
まぁ、つまり…コホンッ、一度にたくさんの女の子と付き合ってたんだよね。
中学の時にやってたバスケも、高校に入って始めたバンドも、全てがいい加減だった。
ある日、中庭をボーと眺めてたら、友達とすげー楽しそうにランチしてる子がいてさ。
メチャクチャいい顔で飯食ってんの。
その笑顔がなんか…すげー可愛くて…。
オレ、その時に人生初めての一目惚れをしたんだ///
彼女はメチャいい子で、ずっと笑ってるし、面倒見も良くて、いつも人の輪の中にいる人だった。
今のオレじゃ彼女に釣り合わないと思った。
ずっといい加減にしてきたバンドを真面目に一生懸命にやって、たくさんの女の子とも全て縁を切った。
ーーーで、勇気を出して彼女に告白したんだけど……見事にフラれちゃって。
でも、諦められなくて友達から始めてもらえるようにお願いした。
オレの方を見てもらいたくて、ちょっと強引に攻めたりもしたんだけど……
どうかな?
今日のオレを見て気持ちが変わってくれてたら嬉しいな。」
コホンッと小さく咳払いをした清宮先輩。
「神崎 萌香さん。」
名前が呼ばれたと同時に、客席にいる私にスポットライトが当てられた。
「君の事が好きです。
オレと付き合って下さい。」
体育館に清宮先輩の声だけが響き渡った。
只今の時刻は12時55分。
ちょうど体育館の真ん中の1番端の席に、私、陽葵、健ちゃんの準備で椅子に座って次の公演が始まるのを待っていた。
あと5分で清宮先輩たちのバンド演奏が始まる。
体育館は立ち見の人が居るくらい大盛況だ。
ぐるっと一周見渡せば、ほぼ女の子で埋めつくされていた。
さすが、清宮先輩。
モテますな。
しばらくすると灯りが落とされ、暗幕が上がると同時にステージにライトが当てられた。
清宮先輩と3人の男の人が現れ「ワー」と歓声があがる。
センターでギターを持った清宮先輩が、スタンドマイクをポンポンと軽く叩く。
「えーと、今日はオレ達のライブに来てくれてありがとうございます。
短い時間ですが、皆んなで盛り上がっていきましょうっ!」
清宮先輩の挨拶が終わり、ドラムの人がスティックを鳴らし演奏が始まる。
ギターを弾きながら歌う清宮先輩。
凄くイキイキしていて楽しそうで…
こんなキラキラしている先輩、初めて見た。
「清宮先輩…カッコいい///」
無意識に私の口から言葉が零れる。
こんな素敵な人に告白されただなんて信じられないな…。
盛り上がったまま演奏が3曲終わって、清宮先輩がスタンドからマイクを外し手に持った。
「すげー楽しいーっ!皆んな、今日はオレ達に付き合ってくれてありがとうございますっ!」
飛びっきりの笑顔で挨拶をした清宮先輩。
「キャー」と女の子達の黄色い声が体育館を支配する。
「ーーで、付き合いついでに、オレのプライベートトークにも付き合って欲しいんですけど…いいかな?」
今度は照れ臭そうに笑って言うと、会場から「いいよー」と返事が返ってくる。
「アハハ…ありがとうございます。
えっと…実はオレ、今まで色んな事にいい加減な男だったんだよね。
彼女を作っては、また違う彼女を作ったりして…。
まぁ、つまり…コホンッ、一度にたくさんの女の子と付き合ってたんだよね。
中学の時にやってたバスケも、高校に入って始めたバンドも、全てがいい加減だった。
ある日、中庭をボーと眺めてたら、友達とすげー楽しそうにランチしてる子がいてさ。
メチャクチャいい顔で飯食ってんの。
その笑顔がなんか…すげー可愛くて…。
オレ、その時に人生初めての一目惚れをしたんだ///
彼女はメチャいい子で、ずっと笑ってるし、面倒見も良くて、いつも人の輪の中にいる人だった。
今のオレじゃ彼女に釣り合わないと思った。
ずっといい加減にしてきたバンドを真面目に一生懸命にやって、たくさんの女の子とも全て縁を切った。
ーーーで、勇気を出して彼女に告白したんだけど……見事にフラれちゃって。
でも、諦められなくて友達から始めてもらえるようにお願いした。
オレの方を見てもらいたくて、ちょっと強引に攻めたりもしたんだけど……
どうかな?
今日のオレを見て気持ちが変わってくれてたら嬉しいな。」
コホンッと小さく咳払いをした清宮先輩。
「神崎 萌香さん。」
名前が呼ばれたと同時に、客席にいる私にスポットライトが当てられた。
「君の事が好きです。
オレと付き合って下さい。」
体育館に清宮先輩の声だけが響き渡った。