メガネの王子様
*****
その日の夜、私は清宮先輩を学校近くの公園に呼び出した。
辺りはもう暗くて、街灯の柔らかなオレンジの光が灯っている。
「清宮先輩…こんな時間に呼び出してしまって、すみません。」
「いいよ。それより、話って何かな?」
さすがに清宮先輩に笑顔は見られない。
そりゃそうだよね…
あんな素敵な告白をしてもらっておきながら、置き去りにしちゃったんだから…
「あ、あの…今日は…ごめんなさい。
返事もせずに、飛び出してしまって…。」
「…返事、しに来てくれたの?」
「………はい。あと、これを返しに。」
洗濯したパーカーが入っている紙袋をそっと差し出す。
「洗ってくれたんだ?ありがとう。」
「いえ、こちらの方こそ、ありがとうございました。」
返事をしなければと思うのに、なかなか言い出せなくて、2人の間に沈黙が流れる。
「今日のあのイケメンって…萌香ちゃんの彼氏?」
沈黙を破ってくれたのは清宮先輩だった。
「…いえ、違います。」
真っ直ぐに私を見て、真剣に私の事を想ってくれている清宮先輩に嘘なんてつきたくない。
「そっか…、あれって昨日、空き教室で萌香ちゃんと一緒にいたヤツだよね?」
「えっ⁉︎」
「さすがにわかっちゃったよ。
そっかぁ、あのダサい眼鏡男って実は超イケメンだったんだぁ…。」
「いや、あのっ、えっと…。」
「別に隠さなくてもいいよ。他にバラす気なんて全くないから。」
ニッコリと笑ってくれる清宮先輩。
「よしっ、じゃ、返事、聞こうかな?」
清宮先輩は少し気合を入れ直してから、私に向き合う。
「あの…清宮先輩の気持ち、とても嬉しかったです。
…でも、ごめんなさい。
私には他に好きな人が居ます。」
清宮先輩の目を見て、私は真摯に向き合い答える。
「うん、…ちゃんと振ってくれてありがとう、萌香ちゃん。」
そう言って清宮先輩は右手を差し出した。
「友達としての再出発ってことで。」
「…はい。これからも宜しくお願いします。」
あんな酷いことをしたのに、また友達として付き合ってくれる清宮先輩の優しさが、じんわりと心に染みわたった。
その日の夜、私は清宮先輩を学校近くの公園に呼び出した。
辺りはもう暗くて、街灯の柔らかなオレンジの光が灯っている。
「清宮先輩…こんな時間に呼び出してしまって、すみません。」
「いいよ。それより、話って何かな?」
さすがに清宮先輩に笑顔は見られない。
そりゃそうだよね…
あんな素敵な告白をしてもらっておきながら、置き去りにしちゃったんだから…
「あ、あの…今日は…ごめんなさい。
返事もせずに、飛び出してしまって…。」
「…返事、しに来てくれたの?」
「………はい。あと、これを返しに。」
洗濯したパーカーが入っている紙袋をそっと差し出す。
「洗ってくれたんだ?ありがとう。」
「いえ、こちらの方こそ、ありがとうございました。」
返事をしなければと思うのに、なかなか言い出せなくて、2人の間に沈黙が流れる。
「今日のあのイケメンって…萌香ちゃんの彼氏?」
沈黙を破ってくれたのは清宮先輩だった。
「…いえ、違います。」
真っ直ぐに私を見て、真剣に私の事を想ってくれている清宮先輩に嘘なんてつきたくない。
「そっか…、あれって昨日、空き教室で萌香ちゃんと一緒にいたヤツだよね?」
「えっ⁉︎」
「さすがにわかっちゃったよ。
そっかぁ、あのダサい眼鏡男って実は超イケメンだったんだぁ…。」
「いや、あのっ、えっと…。」
「別に隠さなくてもいいよ。他にバラす気なんて全くないから。」
ニッコリと笑ってくれる清宮先輩。
「よしっ、じゃ、返事、聞こうかな?」
清宮先輩は少し気合を入れ直してから、私に向き合う。
「あの…清宮先輩の気持ち、とても嬉しかったです。
…でも、ごめんなさい。
私には他に好きな人が居ます。」
清宮先輩の目を見て、私は真摯に向き合い答える。
「うん、…ちゃんと振ってくれてありがとう、萌香ちゃん。」
そう言って清宮先輩は右手を差し出した。
「友達としての再出発ってことで。」
「…はい。これからも宜しくお願いします。」
あんな酷いことをしたのに、また友達として付き合ってくれる清宮先輩の優しさが、じんわりと心に染みわたった。