メガネの王子様
*****
「ほら、これでも食って元気だせよ。」
桐生から渡されたのは、私の食べたかったチョコバナナクリームのクレープだった。
「へ?なんで?」
なんで私の食べたい物がわかったの?
私はキョトンとした顔で桐生を見上げる。
「なんでって、何が?」
桐生が私の隣にドカッと座り、手に持っているツナサラダクレープにかぶりついた。
「私がクレープ食べたいってなんでわかったの?」
「顔が終始そう言ってた。」
「えっ⁉︎うそっ///」
そんなに物欲しそうな顔してたんだ私っ///
そう思うと恥ずかしくて、私は両手で顔を隠した。
「クク…嘘だよバーカ。教室でお前と佐久川が話してんのが聞こえてきたんだよ。」
「だ、騙したのねっ///」
「別に。それよか食わねーの?食わないんだったら、俺が食うけど?」
片方の口角を上げ意地悪そうに笑う桐生。
「ダメッ、食べるよっ。」
慌てて私はクレープにかぶりついた。
生地はモチモチ、甘さ控えめの生クリーム、そしてチョコソースにバナナの最強コンビ。
「ふぁ…美味しい///」
自然と笑みが零れる。
「クク…さっきまで号泣してたヤツだとは思えねぇくらいの笑顔だな。」
「う、うるさいなぁ/// だって美味しいんだもん、仕方ないでしょ。」
私は桐生の方を向いて、ベーと舌を出してやった。
「ぷっ、ちょっとそのまま動くなよ。」
そう言った桐生は私の頬に手を当て、じっと見つめてくる。
こ、これってーーー
いつもだったらキスされるパターンだよねっ///
うそっ⁉︎
どうしようっ///
こ、心の準備ができてませーーーんっ///
私はぎゅっと目を瞑った。
………………………………………………
…………ん?
キスされない⁇
今度はそっと目を開けてみる。
桐生はじっと私を見つめたままの状態だった。
私と視線がぶつかり桐生は親指をそっと私の唇に当てる。
「口にクリームついてんぞ。」
そう言って、親指でクリームを拭き取ってペロッと舐めた。
「あ、ありがとう///」
普通、こんな事されたらドキドキしてしまうんだろうけど…
いや、ドキドキはしてるんだけど…
ーーーなんでキスしてくれなかったんだろう?
今までだったら絶対にキスしてるはずなのに…
ねぇ、どうして………?
「それにしても、神崎って本当に目が離せねぇのな。」
前を向き元の体勢に戻った桐生が言った。
「……え?」
そういえば、健ちゃんにも前に言われたなぁ?
どういう意味だろ?
ドジ……だからかな?
「お前、絡まれすぎっ。」
そう言った桐生は私にパチンッとデコピンをした。
私が「痛い」と言っておデコを摩ると「バーカ」と言って笑っている。
絡まれすぎと言われても…………
確かに最近、よく絡まれてるな…。
ボスキャラのリカさん達、金髪とチャラパーマ、チャラパーマに関しては2回も絡まれた。
ーーーさっきは、本当に怖かった…
あのまま車に引きずり込まれていたら…私、どうなってたんだろ…?
桐生が助けに来てくれてなかったらと思うとゾッとする。
…桐生は幼い頃から、こんな怖い思いを何度もしてきてんだ。
人間不信になるのは当たり前だ。
「桐生…さっきは私を守ってくれて、ありがとう。」
私は心の底から桐生に感謝の気持ちを伝える。
前を向いていた桐生は私の方に視線を移し、優しい目で微笑みながら
「お前の事は俺が守るから…ずっと側にいろよ?」
と言って私の頭をそっと自分の胸に引き寄せた。
私は安心感に包まれながら、黙って小さく頷く。
「ほら、これでも食って元気だせよ。」
桐生から渡されたのは、私の食べたかったチョコバナナクリームのクレープだった。
「へ?なんで?」
なんで私の食べたい物がわかったの?
私はキョトンとした顔で桐生を見上げる。
「なんでって、何が?」
桐生が私の隣にドカッと座り、手に持っているツナサラダクレープにかぶりついた。
「私がクレープ食べたいってなんでわかったの?」
「顔が終始そう言ってた。」
「えっ⁉︎うそっ///」
そんなに物欲しそうな顔してたんだ私っ///
そう思うと恥ずかしくて、私は両手で顔を隠した。
「クク…嘘だよバーカ。教室でお前と佐久川が話してんのが聞こえてきたんだよ。」
「だ、騙したのねっ///」
「別に。それよか食わねーの?食わないんだったら、俺が食うけど?」
片方の口角を上げ意地悪そうに笑う桐生。
「ダメッ、食べるよっ。」
慌てて私はクレープにかぶりついた。
生地はモチモチ、甘さ控えめの生クリーム、そしてチョコソースにバナナの最強コンビ。
「ふぁ…美味しい///」
自然と笑みが零れる。
「クク…さっきまで号泣してたヤツだとは思えねぇくらいの笑顔だな。」
「う、うるさいなぁ/// だって美味しいんだもん、仕方ないでしょ。」
私は桐生の方を向いて、ベーと舌を出してやった。
「ぷっ、ちょっとそのまま動くなよ。」
そう言った桐生は私の頬に手を当て、じっと見つめてくる。
こ、これってーーー
いつもだったらキスされるパターンだよねっ///
うそっ⁉︎
どうしようっ///
こ、心の準備ができてませーーーんっ///
私はぎゅっと目を瞑った。
………………………………………………
…………ん?
キスされない⁇
今度はそっと目を開けてみる。
桐生はじっと私を見つめたままの状態だった。
私と視線がぶつかり桐生は親指をそっと私の唇に当てる。
「口にクリームついてんぞ。」
そう言って、親指でクリームを拭き取ってペロッと舐めた。
「あ、ありがとう///」
普通、こんな事されたらドキドキしてしまうんだろうけど…
いや、ドキドキはしてるんだけど…
ーーーなんでキスしてくれなかったんだろう?
今までだったら絶対にキスしてるはずなのに…
ねぇ、どうして………?
「それにしても、神崎って本当に目が離せねぇのな。」
前を向き元の体勢に戻った桐生が言った。
「……え?」
そういえば、健ちゃんにも前に言われたなぁ?
どういう意味だろ?
ドジ……だからかな?
「お前、絡まれすぎっ。」
そう言った桐生は私にパチンッとデコピンをした。
私が「痛い」と言っておデコを摩ると「バーカ」と言って笑っている。
絡まれすぎと言われても…………
確かに最近、よく絡まれてるな…。
ボスキャラのリカさん達、金髪とチャラパーマ、チャラパーマに関しては2回も絡まれた。
ーーーさっきは、本当に怖かった…
あのまま車に引きずり込まれていたら…私、どうなってたんだろ…?
桐生が助けに来てくれてなかったらと思うとゾッとする。
…桐生は幼い頃から、こんな怖い思いを何度もしてきてんだ。
人間不信になるのは当たり前だ。
「桐生…さっきは私を守ってくれて、ありがとう。」
私は心の底から桐生に感謝の気持ちを伝える。
前を向いていた桐生は私の方に視線を移し、優しい目で微笑みながら
「お前の事は俺が守るから…ずっと側にいろよ?」
と言って私の頭をそっと自分の胸に引き寄せた。
私は安心感に包まれながら、黙って小さく頷く。