メガネの王子様
◇◇◇◇◇
俺は空き教室に神崎を残し、ひとり静かな長い廊下を歩く。
頭を冷やさないと……
最近の俺は自制心が欠けている。
神崎に触れたくて近づくくせに、触れたら抑えが効かなくなって…
嫌われるのが怖くて、また距離をとる。
この前、あいつにキスを拒否された事が結構ショックだったんだろな…
まさか、唇を噛まれるとは思ってもみなかった。
本当、気の強い女。
それより、まさかあいつに好きな奴がいたなんて…。
…そっか。だからか。
好きな奴がいるから、あの時、拒否されたんだ。
どうすっかな…
いや、答えは出てる。
俺はあいつを他の誰かに渡すなんてこと出来ない。
ーーーって事は
あいつを振り向かせるしかない。
俺のことを好きになってもらうんだ。
これからは本気でお前を落としにかかるからな。
覚悟しとけよ、神崎 萌香。