メガネの王子様
*****
私は待ち合わせである駅前に15分前に着いた。
今日の服装…変じゃないかなぁ?
ビルの大きな窓ガラスを鏡がわりに、全身を映してチェックをする。
MA-1のジャケットとホワイトベースに黒のボーダーラインが入ったニット、黒のフレアスカートにリボンデザインのヘアーバンド。
昨日の夜、一生懸命に考えたんだけど…
頑張りすぎないように、でも少しでも女の子だと思ってもらいたい。
桐生はどんな服装が好きなのかな?
可愛いって言ってくれたら…嬉しいな///
なんて少しドキドキしながら皆んなを待っていると
「こんにちは。」
「…こんにちは?」
大人な感じの男の人に声を掛けられて、とりあえず挨拶を返した。
「あの、おひとりですか?」
「え?いや…「ひとりじゃねぇよ。」」
突然、後ろから肩を抱き寄せられ、驚いた私は声がした方を見上げる。
え、桐生っ///⁉︎
そこにはイケメンバージョンの桐生がいて
「お兄さん、悪いけどコイツ俺のなんで。」
ニッコリと極上の笑顔で目の前の男の人に答える。
お、俺のっ/// 俺のなんでって言った⁉︎
ーーー違うっ、違うっ。
勘違いしちゃダメっ‼︎
桐生は本気でそんな事を思って言ってるんじゃないんだからっ。
私は頭をブンブンと横に振って邪念を振り払う。
私に声を掛けてきた男の人は、桐生の笑顔を見て少し顔を赤らめ、そのまま何も言わずにどこかへ行ってしまった。
すごい…桐生の笑顔って男の人にまで効力があるの⁇
「お前、何やってんの?」
肩を抱いたまま私に視線を移した桐生。
「何って、皆んなを待ってたんじゃん///」
目を逸らし下を向いたまま返事をする。
だって、顔が声が近すぎて緊張するんだもんっ///
「お前さぁ、もうちょっと自覚しろよ。この前も絡まれたところだろ?」
下を向いていた私の顔を両手で包み、ぐいっと上を向かせる。
桐生の綺麗な顔が目の前に現れて、一気に体温が上がった。
「じ、自覚って何よ///意味がわからない。」
「ホント無自覚って怖いな…。」
「は?」
「なんでもないよ、バーカ。」
そう言った桐生は、私の頭をポンポンとしてから胸ポケットに入れてある眼鏡を掛けた。
なんか…眼鏡を掛けたけど、私服の桐生ってばイケメンを隠しきれてないような?
だってさ、道ゆく人が桐生をチラチラと見ながら通り過ぎて行くんだもん。
黒のVネックのインナーにグレーのニット、ロールアップされた濃いめのベージュのパンツに茶色の革靴。
…カッコいい///
「あんま見んなよ、襲うぞ。」
「ば、ばかっ///」
真っ赤になって焦っている私を見て、アハハと楽しそうに笑っている桐生。
その警戒心のない笑顔が嬉しくて私も自然と笑顔になる。
しばらくすると、陽葵達が手を振ってこっちに向かって来るのが見えた。
「あ、陽葵達が来たよ、行こっか?」
私が陽葵達がいる方へ歩き出すと、ぎゅっと手を掴まれ少し後ろに引かれた。
そして、私の耳元に唇を近づけた桐生が
「今日の神崎、すごく可愛い…」
あの魅惑的な低音ボイスで囁いた。
ドクンッと大きな音をたてた私の心臓…。
すぐに手は離され、桐生は私の前をサッサと歩いて行く。
あ…桐生の耳が赤い…
「ふふ…///」
私は胸に手を当て幸せを噛みしめた。
私は待ち合わせである駅前に15分前に着いた。
今日の服装…変じゃないかなぁ?
ビルの大きな窓ガラスを鏡がわりに、全身を映してチェックをする。
MA-1のジャケットとホワイトベースに黒のボーダーラインが入ったニット、黒のフレアスカートにリボンデザインのヘアーバンド。
昨日の夜、一生懸命に考えたんだけど…
頑張りすぎないように、でも少しでも女の子だと思ってもらいたい。
桐生はどんな服装が好きなのかな?
可愛いって言ってくれたら…嬉しいな///
なんて少しドキドキしながら皆んなを待っていると
「こんにちは。」
「…こんにちは?」
大人な感じの男の人に声を掛けられて、とりあえず挨拶を返した。
「あの、おひとりですか?」
「え?いや…「ひとりじゃねぇよ。」」
突然、後ろから肩を抱き寄せられ、驚いた私は声がした方を見上げる。
え、桐生っ///⁉︎
そこにはイケメンバージョンの桐生がいて
「お兄さん、悪いけどコイツ俺のなんで。」
ニッコリと極上の笑顔で目の前の男の人に答える。
お、俺のっ/// 俺のなんでって言った⁉︎
ーーー違うっ、違うっ。
勘違いしちゃダメっ‼︎
桐生は本気でそんな事を思って言ってるんじゃないんだからっ。
私は頭をブンブンと横に振って邪念を振り払う。
私に声を掛けてきた男の人は、桐生の笑顔を見て少し顔を赤らめ、そのまま何も言わずにどこかへ行ってしまった。
すごい…桐生の笑顔って男の人にまで効力があるの⁇
「お前、何やってんの?」
肩を抱いたまま私に視線を移した桐生。
「何って、皆んなを待ってたんじゃん///」
目を逸らし下を向いたまま返事をする。
だって、顔が声が近すぎて緊張するんだもんっ///
「お前さぁ、もうちょっと自覚しろよ。この前も絡まれたところだろ?」
下を向いていた私の顔を両手で包み、ぐいっと上を向かせる。
桐生の綺麗な顔が目の前に現れて、一気に体温が上がった。
「じ、自覚って何よ///意味がわからない。」
「ホント無自覚って怖いな…。」
「は?」
「なんでもないよ、バーカ。」
そう言った桐生は、私の頭をポンポンとしてから胸ポケットに入れてある眼鏡を掛けた。
なんか…眼鏡を掛けたけど、私服の桐生ってばイケメンを隠しきれてないような?
だってさ、道ゆく人が桐生をチラチラと見ながら通り過ぎて行くんだもん。
黒のVネックのインナーにグレーのニット、ロールアップされた濃いめのベージュのパンツに茶色の革靴。
…カッコいい///
「あんま見んなよ、襲うぞ。」
「ば、ばかっ///」
真っ赤になって焦っている私を見て、アハハと楽しそうに笑っている桐生。
その警戒心のない笑顔が嬉しくて私も自然と笑顔になる。
しばらくすると、陽葵達が手を振ってこっちに向かって来るのが見えた。
「あ、陽葵達が来たよ、行こっか?」
私が陽葵達がいる方へ歩き出すと、ぎゅっと手を掴まれ少し後ろに引かれた。
そして、私の耳元に唇を近づけた桐生が
「今日の神崎、すごく可愛い…」
あの魅惑的な低音ボイスで囁いた。
ドクンッと大きな音をたてた私の心臓…。
すぐに手は離され、桐生は私の前をサッサと歩いて行く。
あ…桐生の耳が赤い…
「ふふ…///」
私は胸に手を当て幸せを噛みしめた。