メガネの王子様
*****
………ここはどこ?
目覚めると一番始めに入って来た景色はクリーム色の天井と蛍光灯。
次に入ってきたのはーーー
「大丈夫か?神崎っ。」
「…健、ちゃん?」
眉を下げ心配そうな顔をしている健ちゃんだった。
私は自分の置かれている状況が分からず、周りを少し見てみる。
白いカーテンに白いシーツ、パイプのベッド。
ーーーここって…保健室だ。
そっか…私、保健室に来る途中で倒れちゃったんだ。
寒くて凍えそうな渡り廊下。
誰かに抱き上げられて………………
覚えのある…あの香り……
「…き、りゅ…ぅ。」
「えっ?なに?神崎っ。」
健ちゃんが私の手を取って真剣な表情で私の顔を覗き込む。
ーーーでも、ここに居て私の手を取ってくれてるのは健ちゃん。
ひょっとして…あれは夢だったのかな?
「健ちゃんが…私をここへ運んでくれたの?」
「…あ、……うん。」
「ゴメンね…ありがとう。」
私は身体を起こしベッドに座る。
…そっか、やっぱり私の気の所為だったんだ。
そりゃそうだよね。
私、嫌われてるんだもん。
桐生が私なんか助けるわけ無いよね?
「神崎が倒れたのって寝不足からの貧血じゃないかって先生が言ってた。
最近、飯もあんまり食ってないよな?」
「…心配かけちゃってゴメンね。私は大丈夫だから健ちゃんは教室に戻って。」
健ちゃんにまで迷惑かけちゃって、本当に私何やってるんだろ…
桐生に嫌われただけで、眠れなくなって食欲も無くして、その挙句に倒れて迷惑をかけるなんて…私って最低…。
自分が情けないよ。
「教室になんて戻らないよ。今日は神崎の側にずっといる。家に帰るなら俺が送るよ。」
健ちゃんが私をじっと見つめながら言った。
「私はもう大丈夫だよ。」
これ以上、健ちゃんに迷惑をかけたくなくて無理矢理に笑顔を作り答える。
すると健ちゃんがとても切なそうな表情になって、私の頬に手を当て親指で目の下をそっとなぞった。
「無理に笑うなよ、こんなに目の下に隈を作ってさ。
なぁ………眠れない原因って…桐生のせい?」
健ちゃんに見事に言い当てられて体がビクッとなってしまう。
「やっぱ、そうなんだ…。」
健ちゃんは私の頬に当てていた手を、パイプ椅子に座っている自分の膝の上に移し、黙って下を向き何かを考えているようだった。
しばらくして、健ちゃんが顔を上げ私の目を真っ直ぐに見て話しだす。
「俺さ、神崎に桐生とのこと応援するって言ったけど、アレ、取り消すわ。
あの時は、桐生といる神崎が嬉しそうにしてたから応援しようと思った。
でも………
最近の神崎は全然嬉しそうでもないし楽しそうでもない。
ただ辛そうなだけだ。
桐生との間に何があったか俺には分からないけど、桐生のせいで神崎が弱っていくのをこれ以上、放っておけない。」
健ちゃんはとても辛そうな目で見つめながら私の手をギュッと握った。
「……なぁ、神崎。
俺だったら神崎のこと泣かせたりしないよ。」
健ちゃんは握っている私の手に自分の額を合わせて言った。
「健ちゃん、私…「まだっ。」」
顔を上げ私の目を真っ直ぐに見た健ちゃんが私の声に被せて話しだす。
「神崎は…まだ、桐生のことが好き?」
「……………。」
図星で何も答えられない。
そう、私はまだ桐生のことが…。
「…俺じゃダメ?」
「え?」
健ちゃんの熱い視線が私を捉え身動き出来なくさせる。
「ずっと、神崎のことが好きなんだ。
俺と付き合って欲しい。」
私は友達だと思っていた健ちゃんからの告白に驚き戸惑うしか出来なかった。
………ここはどこ?
目覚めると一番始めに入って来た景色はクリーム色の天井と蛍光灯。
次に入ってきたのはーーー
「大丈夫か?神崎っ。」
「…健、ちゃん?」
眉を下げ心配そうな顔をしている健ちゃんだった。
私は自分の置かれている状況が分からず、周りを少し見てみる。
白いカーテンに白いシーツ、パイプのベッド。
ーーーここって…保健室だ。
そっか…私、保健室に来る途中で倒れちゃったんだ。
寒くて凍えそうな渡り廊下。
誰かに抱き上げられて………………
覚えのある…あの香り……
「…き、りゅ…ぅ。」
「えっ?なに?神崎っ。」
健ちゃんが私の手を取って真剣な表情で私の顔を覗き込む。
ーーーでも、ここに居て私の手を取ってくれてるのは健ちゃん。
ひょっとして…あれは夢だったのかな?
「健ちゃんが…私をここへ運んでくれたの?」
「…あ、……うん。」
「ゴメンね…ありがとう。」
私は身体を起こしベッドに座る。
…そっか、やっぱり私の気の所為だったんだ。
そりゃそうだよね。
私、嫌われてるんだもん。
桐生が私なんか助けるわけ無いよね?
「神崎が倒れたのって寝不足からの貧血じゃないかって先生が言ってた。
最近、飯もあんまり食ってないよな?」
「…心配かけちゃってゴメンね。私は大丈夫だから健ちゃんは教室に戻って。」
健ちゃんにまで迷惑かけちゃって、本当に私何やってるんだろ…
桐生に嫌われただけで、眠れなくなって食欲も無くして、その挙句に倒れて迷惑をかけるなんて…私って最低…。
自分が情けないよ。
「教室になんて戻らないよ。今日は神崎の側にずっといる。家に帰るなら俺が送るよ。」
健ちゃんが私をじっと見つめながら言った。
「私はもう大丈夫だよ。」
これ以上、健ちゃんに迷惑をかけたくなくて無理矢理に笑顔を作り答える。
すると健ちゃんがとても切なそうな表情になって、私の頬に手を当て親指で目の下をそっとなぞった。
「無理に笑うなよ、こんなに目の下に隈を作ってさ。
なぁ………眠れない原因って…桐生のせい?」
健ちゃんに見事に言い当てられて体がビクッとなってしまう。
「やっぱ、そうなんだ…。」
健ちゃんは私の頬に当てていた手を、パイプ椅子に座っている自分の膝の上に移し、黙って下を向き何かを考えているようだった。
しばらくして、健ちゃんが顔を上げ私の目を真っ直ぐに見て話しだす。
「俺さ、神崎に桐生とのこと応援するって言ったけど、アレ、取り消すわ。
あの時は、桐生といる神崎が嬉しそうにしてたから応援しようと思った。
でも………
最近の神崎は全然嬉しそうでもないし楽しそうでもない。
ただ辛そうなだけだ。
桐生との間に何があったか俺には分からないけど、桐生のせいで神崎が弱っていくのをこれ以上、放っておけない。」
健ちゃんはとても辛そうな目で見つめながら私の手をギュッと握った。
「……なぁ、神崎。
俺だったら神崎のこと泣かせたりしないよ。」
健ちゃんは握っている私の手に自分の額を合わせて言った。
「健ちゃん、私…「まだっ。」」
顔を上げ私の目を真っ直ぐに見た健ちゃんが私の声に被せて話しだす。
「神崎は…まだ、桐生のことが好き?」
「……………。」
図星で何も答えられない。
そう、私はまだ桐生のことが…。
「…俺じゃダメ?」
「え?」
健ちゃんの熱い視線が私を捉え身動き出来なくさせる。
「ずっと、神崎のことが好きなんだ。
俺と付き合って欲しい。」
私は友達だと思っていた健ちゃんからの告白に驚き戸惑うしか出来なかった。