メガネの王子様

健人の気持ち



◆◆◆◆◆



友達に呼び出されて廊下に出た俺。

さっきは神崎と普通に話せてただろうか?

「別れよう」と言って終止符を打ったのは俺だけど、本当は別れたくなんてなかった。

まだ神崎のことが好きだし諦められない。

彼女の顔を見ると抱きしめて閉じ込めてしまいたくなる。

でも、それは俺の自己中心的な考えだ。

神崎の気持ちを考えるとそんなことは出来ない。

彼女はまだ桐生が好きだ。

それも多分、いや絶対に両想い。

修学旅行で確実に何かあった2人。

明らかにあの日から2人共おかしかった。

桐生は神崎のことを避けてるし、神崎はいつも泣きそうな顔をしてた。

桐生の側にいる神崎はいつも嬉しそうに笑っていたから、俺は応援しようと覚悟を決めたのに…。

神崎にはいつも笑顔でいて欲くて、俺は彼女を諦めようとしたのに…。

「神崎の笑顔は俺が守る」

どんどん距離がひらいていく2人を見ているうちに、そんな気持ちが湧いてきた。

俺はいつ彼女に告白をしようか?そんなことばかりを考えるようになっていった。


< 73 / 78 >

この作品をシェア

pagetop