青蓮の紋章

 

体中が血まみれで倒れている母さんがいた。

「な、なんで...」

駆け寄って上半身を起こしてみるとお腹には何箇所か刺された傷があり深そうだった。

そして、首に噛み跡がありそこからも血が流れている。

「ねぇ?母さん?」

呟くように呼んでみると、気がついたのか母さんは呻いた。

「うっ…デューク?来てくれたのね…」

少し嬉しそうな顔をしてそう言った。

「ごめんね、油断してたわ…」

「何があったの!?誰にやられたの!?」

「...それは言えないわ。あんたは狙われているのよ。だから誰にも気づかれないように過ごしてきた...だけど迂闊だったわ、まさか襲われるなんて...」

母さんは今にも息絶えそうだ。

「どういうことなの!?ねぇ!」

悲しみと怒りで感情がぐしゃぐしゃで強く言ってしまう。

「ねぇ、デューク...あんたは…」

母さんは静かに言った。


「×××なのよ。」


 
「...は?」


心底驚いた。

「どういうことだよ、それは!!」

死にかけている母さんの肩を揺する。

「ごめんなさい…言えなかったの…」

消え入りそうな声で言う。


「なんだよそれ...何故俺が狙われているんだよ?」

「それは…あんたが××の...」

そこで母さんは目を閉じた。

「ごめんなさい。××」

そう呟くとそのまま動かなくなった。


「母さん!?ねぇ?!」

揺すっても反応がない。

「母さん...」



身内がたった1人しかいない母の突然の死。

突然のカミングアウト。

もう何が訳分からない。

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