青蓮の紋章
「…は?」
驚く。
何言ってんだこいつとも思った。
「な、何故だ…?」
得体の知れない恐怖を感じながらも恐る恐る聞いてみる。
アベルはさっきからずっとニヤニヤしてる。
「さぁ?お前が俺のモノだから?」
クスリと笑う。
「は?なにそれ。関係あるのかよ。」
「そうさ、デューク。」
デュークの上からどけてベッドを降りる。
「ここは俺の館だ。だから自分勝手は許されない。何かあったら手下がお前をとっ捕まえて罰でも与えるからな。」
「はーあ?何それ別に招かれた訳でもないだろ。アベルが勝手に拉致っただけだろ。帰らせてくれよ。」
そういって起き上がろうとしたら、また押し倒された。
「ッ...」
なんと首にはナイフを当てられている。
「アベル様の指示には従って下さい。」
ナイフを持っていたのはゴスロリっぽい服を着た女だった。
どうやら手下のようだ。
「そういうことだ。デューク大人しく過ごせ。」
そういってドアのところへ行こうとした。
「おい、アベル!」
その声に反応し歩みを止める。
「俺はお前には従わない。ここにいる代わりに自由にさせてもらうからな。」
手下の腕を掴みアベルめがけて飛ばす。
油断していたのか振り返ったアベルはそれに驚き、ぶつかって後ろに吹っ飛ぶ。
「痛っ...何するんだよデューク。」
「申し訳ありませんっ、アベル様お怪我はないでしょうか!?」
あたふたしている手下と怒りを露わにしているアベルを見て可笑しくなった。
「なぁ、アベル。
俺のことを手に入れたいんだろ?」
ベッドから降り2人を見下ろしてニコリと笑う。
「だったら、ここでは自由にさせてもいいんじゃない?
でないと俺お前を殺すよ?」