青蓮の紋章
「ぐっ...」
不意をつかれたアベルは体をわなわなさせている。相当怒っているようだ。
手下はいうと、敵意持ったまま構えている。忠実だなぁと感心する。
「さぁどうする、アベル?」
正直いってさっきの能力を出されないか不安だ。
出されたら俺はされるがままになるだろう。
アベルは床を見つめたまま黙っている。
「...。ここには他に誰がいるの?」
黙っているもんだから痺れを切らした。
「...こいつとあと2人の手下がいる。それに…1人の男も。」
弱々しい声で答えてきた。
「へぇ広いわりには人が少ないんだね。」
「いいだろう、お前の好きにしていい。」
しばらくしたらそう言ってばっと俺の顔を見た。
「ただしここから勝手に出たらどうなるかは分かるよな。」
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庭に出てみる。
庭にはいろんな色の薔薇が咲いている。
どうやら薔薇を塀にして館を囲んでいるようだ。
目についたのは黒っぽい赤の薔薇だった。
それに触ろうとした時。
「デューク様。」
後ろから誰かに名前を呼ばれた。