青蓮の紋章
「そうだったんだぁ…」
帰りの道、隣でミカロルが感嘆の声を漏らしていた。
(お?伝説を信じてくれるようになったか?そうだといいけどな…)
「…でもさ」
急に歩みを止めたミカロルは言った。
「500年もの間何も起こらなかったろ?
やっぱ、迷信だよ!」
「結局そうなるのかよ!」
呆れた俺はミカロルを小突いた。
「何年の間にだったら伝説だと思うんだよ?」
「うーん……10年?」
「...。」
(そんなに短いのかよ、そして青蓮は100年おきなんだけどな…)
「あ、デューク
これでも長めに言ったんだぞ?」
「あのなぁ、ミカロル…ッ…」
言いかけたその時、鈍い痛みが俺の頭を襲った。
「どうした?デューク?」
我に返ったデュークは誤魔化すように大丈夫だと伝え、その場で別れた。
「ッ...はぁ…危ないところだった…」
雲行きが怪しくなり、ついには小雨が降り始めた。
(...雨、か…)
灰色の空を眺めながら帰路についた。
家に着きドアを締めると、ドアにもたれかかった。
「ッ...くそが…」
濡れた銀色の髪をかきあげながら、その場に座り込む。
(血を飲みたい、なんて...)
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