いつだって君のことが好きで堪らないのに。




「あっそ。ならいい。」



あ、しまった。怒らせた?



そう思い、顔を上げると、


ーーふにっ


唇に柔らかいものが触れた。



それが先輩の唇ーーつまり、先輩とキスしてると気づいた頃にはもう終わっていて。



一瞬のキス。


だけど私を惑わせるには十分だった。




「んな、いま…っ!」



「おー。顔を真っ赤にさせちゃって。かわいい。」



先輩は余裕そうに笑う。



「き、き…っ!」



「あー、キスね。」



ぺたり、とその場でうずくまると先輩はすぐに私を抱き寄せた。




< 16 / 20 >

この作品をシェア

pagetop