(仮)【Dolls】

過去

二年前、こんなあたしでも、結婚前提に付き合ってる彼がいた。

二つ年上の、すごく優しい彼で、心の支えになってくれて、毎日会ってた。

これが、最後の恋だと信じてた。

でも、そんな幸せは長く続かず…。

信じてた彼の沢山の嘘、借金、浮気…。

次々発覚する出来事に、身がもたなくなっていた。

そんな彼に言われた言葉で、ずっと忘れられない言葉がある。

「陽菜(ひな)は手のひらサイズの人形みたい。」

って。彼にとっては褒め言葉だったのかもしれないけど、あたしにとっては複雑だった。

人形には心が無いから…。
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