宛名のないラブレターをキミに

2

「それでね、すごくかっこよかった人がいたんだ」




堂々と机に突っ伏して寝ていたうちの1人である友人。

授業がおわると同時にそんな友人のもとへと駆け寄った。




「ねぇ悠里(ゆうり)聞いてるー?」


いまだ眠そうな顔をして机に項垂れている彼女――山下悠里へと目線を合わせ尋ねると

はいはい、とめんどくさそうな顔であしらわれる。
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