宛名のないラブレターをキミに
宛名…は確かに書いてあることは書いてある

が、これじゃ有って無いようなものだ。



(前に借りた人が入れたまま忘れてたのかな?)



そのまま戻そうかとも考えたが
どうしてもその本が読みたい欲求を抑えきれない。


だからといって他の本に挟むと余計に分からなくなるかもしれないし、これだけ置いておく、なんてもってのほかだ。


(まぁ、一緒に持っておいて、返すときに挟んで戻せばいいよね…?)


と思い、手紙を持ったまま席についた。
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