宛名のないラブレターをキミに
そして

「いきなり声かけないでよ―――



悠里!」



いきなり声をかけてきた彼女のほうを向き、なるべく小声で話す。

「いや、そんなにびっくりするとは思わなかったんだって」


ごめんごめんとけらけらと笑う、思ってもいないような謝罪をする。

「で?

本好きな陽菜ちゃんが集中出来なくなるほどのそれ、なに?」



案の定、彼女の目線の先にあるものは―――


さっきの手紙。
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