宛名のないラブレターをキミに
「なんかね、この本に挟まってたんだけど…


って、ちょっと!」

事情を説明しようとしている私をよそに、いきなり手紙を手に取り、中を開けようとしている。



「なに?」

「なに?じゃなくて!
あけちゃダメでしょ。人のだよ?」



止めたもののどーせいたずらだって、と笑い、開けてしまった。

(もう知らないから…)


諦めてため息をつこうとしたとき、横で悠里が「うわ」と声をあげた。
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