宛名のないラブレターをキミに
ポピー―恋の予感―

3

「あー…」

帰宅し、倒れこむようにベッドに横になる。
ギシリと軋む音とともに、ベッドが少し沈み込む。




結局あの後――


「あ、陽菜。先生があんたのこと探してたから呼びに来たんだった」


と思い出したように私に告げたのは悠里が図書室にきて30分後のことであった。


「え、早く言ってよ!!」と言いながら慌てて本と手紙を持ち、貸出をしてもらい、職員室へと向かった。



あとから聞くにはその声は結構大きかったらしい。

図書室は私語厳禁、という張り紙があったのを思い出した。
ごめんなさいおじいちゃん先生。
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