宛名のないラブレターをキミに
眠そうにあくびをしている人や
私のように必死に目を開けようとしている人


ついには眠気に負けてしまったのか堂々と机に突っ伏している人さえいる。



私たちのクラスの古典の先生は寝ている生徒がいても注意せず淡々と授業を進める。


――ついていけなくなっても自分の責任だ――



そう言ってにやりという効果音がつきそうな笑顔だった先生の4月の初めての授業を思い出し、口元が少し緩んでしまった。
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