宛名のないラブレターをキミに
「――!」




私の思いが伝わったとでも言わんばかりにこちらのほうを振り返った先輩に





思わず見とれてしまった。






――整った顔、陽射しが反射し光る汗、楽しいのだと心に伝わってくる笑顔

それはまるで……




(太陽みたいだ)


なんて、ありきたりな言葉しか思い浮かばなかった。





――そんな春の日の5限目。
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