甘い媚薬はPoison
そう言えば……倉庫は探してない。
「……倉庫にいるかもしれない」
鍵を手に取ると、すぐさま倉庫に向かって走った。
「朝比奈?」
後ろから杉山がついてくるが、振り返らずに倉庫まで走り鍵を開けた。
どうか……無事でいてくれ。
心の中で祈りながらドアを開けようとするが、いつも以上にドアが重く感じた。
なにかがドアを塞いでる……。
少しずつドアを開け中を確認すると、何か人影のようなものが見えた。
ひょっとして……愛梨か?
杉山がドアを開けるのを手伝ってくれて中に入ったら、愛梨がドアにもたれ掛かりながら眠っていた。
「愛梨、……愛梨、大丈夫か?」
愛梨の身体を支えながら肩を揺すって声をかけると、彼女はしばたきながら目を開け、俺を見て「……蓮くん」と呟く。
その声を聞いた時どれだけホッとしただろう?
「……無事で良かった」
愛梨の身体に手を回し自分の胸にギュッと抱き締めるが、彼女の身体が冷たくて驚いた。
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