甘い媚薬はPoison
「お前……なにを⁉」
私の突飛な行動に、蓮くんが呆気に取られて目を丸くしている。
「タクシーなんて呼ばせない。そんなに私を帰らせたいなら、スマホを取り返してみれば?」
蓮くんを挑発するように言って、彼をソファに押し倒す。
「スマホは私のブラ中だよ。私の服を脱がして奪えばいいじゃない?」
私は勇気を振り絞って蓮くんの目を捕らえ、胸を押し付けた。
絡み合う視線。しかし、彼がすぐに私から視線を逸らし、呆れ顔で説教する。
「なにを馬鹿なこと言ってる?ふざけるのはやめろ」
「ふざけてなんかいない。私は本気よ!」
声を荒げてそう叫ぶと、蓮くんのシャツに手をかけボタンを外す。
だが、あれだけシミュレーションしたのに、やり慣れてないせいか上手く外せなかった。
「なんで……」
思わず声が出る。
焦れば焦るほど指が動かない。
なにをやっても空回りしているような気がした。
私……醜態をさらしてるだけじゃない?
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