甘い媚薬はPoison
2、媚薬の効果と罪悪感
明け方にパッと目が覚めた。
自分の身体をしっかりホールドしている蓮くんの腕を見て、昨夜のことを瞬時に思い出す。
触れ合う身体。
身体中に落とされる彼のキス。
この上なく甘美な夜を過ごして、いつのまにか意識が飛んでしまったらしい。
身体はすごく疲れているのに、眠気は一気に吹き飛んだ。
ああ……やっちゃったんだ。
まだ周囲は暗いが、もう眠れそうにない。
念願叶って嬉しいはずなのに、胸に苦い思いが広がる。
初めての相手が彼でもっとハッピーになれると思ってた。
それなのに、どうしてこんなに苦しいの?
ううん、自問自答するまでもない。
媚薬を使ったからだ。
感じるのは彼の心を操ってしまったという罪悪感。
蓮くんの腕の中からそっと抜け出し、彼の顔を眺めた。
メガネをしていないと、大学生くらいに見える。
髪は乱れていて、疲れたように眠っている彼。
毎日深夜まで仕事しているのだ。
そりゃあ身体もクタクタだよね。
若くして社長になって、たくさんの重荷を背負って……。
< 30 / 124 >

この作品をシェア

pagetop