甘い媚薬はPoison
蓮くんの手の中の薬を見て、顔をしかめる。
『……その薬、苦いんだよね』
私が文句を言うと、ペシッと蓮くんに頭を叩かれた。
『なに子供みたいなこと言ってんだ。すぐに飲み込めば苦さなんて余り感じない』
『嫌なものは嫌なの』
私が駄々をこねると、蓮くんは意地悪く笑った。
『飲まないと俺が座薬入れることになるが、それでいいのか?』
座薬?嘘だよね?
蓮くんの脅しに私は絶句する。
『薬が飲めないなら仕方ないだろ?熱も下がらないし』
『この変態!』
高熱にうなされながらも、私は声を張り上げ蓮くんを罵った。
『お前が薬飲まないのが悪い。ほら、下脱げよ』
蓮くんは真顔で私の布団をはいで、パジャマのズボンに触れる。
本気で座薬入れるの!
『の、飲むわよ!飲めばいいんでしょう!』
狼狽えた私はつっかえながらも、蓮くんの手から薬を奪い取りすぐに飲み込んだ。
慌てて飲んだせいか、ゲホゲホと激しく咳き込む。
そんな私をおもしろそうに見て、蓮くんが口角を上げた。
『なに恥ずかしがってんだか。昔はお前のオムツだって替えてやったのに』
< 42 / 124 >

この作品をシェア

pagetop