甘い媚薬はPoison
故意ではないにしろ、彼が仕事に集中出来ない状況を私が作ってる。
その蓮くんとは、まだ話は出来ていなくて私の胸の中はモヤモヤしていた。
一応、金曜日の夜にプリンのお礼のLINEはしたのだ。
【プリン、ありがとう。迷惑かけちゃってごめんね】って……。
たまたまスマホを見ていたのか既読マークがすぐについて、蓮くんから【無理せずゆっくり休め】とだけ返事が来た。
その返事だけでは、彼があの夜のことをどう思っているのかわからない。
タイミング悪く、蓮くんは出張でいないし……。
ううん、私が無意識に避けているのかも。
今日蓮くんが出張でいないと聞いて少し安心した。
蓮くんに会いたければ、私が彼を追うなり、電話なりすればいいのだ。
そうしないのは、彼になにを話していいかもわからないし、彼になにを言われるのかわからなくて怖いから。
このままなにもなかったフリして逃げるわけにはいかないってわかってはいる。
でも、“お前は女として見れない”って決定的なことを言われるんじゃないかと思うと、胸が痛くなってつらい。
< 51 / 124 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop