甘い媚薬はPoison
え?
蓮くんが私を……好き?
私の聞き間違い?嘘でしょう?
彼の言葉に動揺せずにはいられなかった。
「私を……からかってるの?」
蓮くんの言うことが信じられなくて、上目遣いに彼を睨んだ。
「本気で愛梨が好きだよ。いや……愛してるって言った方がしっくりくるかな」
連くんが私を愛おしげに見つめてきたけど、まだ信じられなかった。
「じゃあ……先週の木曜日に私と……その……一夜を共にしたのは媚薬のせいじゃなくて、私を愛してたからなの?」
頭の中が混乱して、うまく言葉が出ない。
「本当はまだお前を抱くつもりはなかった。自分の中でけじめをつけてから、お前の気持ちに応えようって思ってた。なのに、お前は疲れて帰ってきた俺を捕まえて誘惑しようとして……。理性のタガが外れたんだよ」
蓮くんは恨みがましい口調で言うが、その目はとても温かくて私を大事に思ってるのが伝わってくる。
「それは……ごめんなさい。でも、いつから私のこと女として見るようになったの?ずっと子供扱いだったじゃない」
「女として意識するようになったの愛梨が大学生の頃かな。お前の家の近くでお前が茶髪男とキスしてるの見た時に、自分の想いを自覚した」
思わぬ蓮くんの告白に、私は後ろめたさを覚えて彼から少しずつ視線を逸らす。
茶髪男って私が昔付き合ってた先輩だ。
蓮くんに見られてたなんて……気まずいし……恥ずかしい‼
チャラい女だって思われたらどうしよう~‼
「あれは……その……蓮くんに全然相手にされなかったし、先輩に告白されて付き合ってみたんだけど……んん‼」
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