甘い媚薬はPoison
必死に弁解していたら、急に蓮くんの顔が近づいて来て彼に口を塞がれた。
私がなにも言えなくなると、蓮くんは一旦キスを止め口早に言う。
「他の男の話なんてもういい」
少し不機嫌そうなその声に、なんとなく思った。
蓮くんは先輩に嫉妬してるのかなって……。
彼は再び私にキスをする。
私は幸せを噛み締めながら蓮くんの甘いキスに応えた。
「愛してる」
私の額にコツンと自分の額を当てると、愛しげに蓮くんは囁く。
すると、ジーンと涙が込み上げてきた。
「私も……愛してる」
自分の想いを告げずにはいられなかった。
ようやく蓮くんに自分の想いが通じ胸が熱くなる。
幸せに満ちあふれたその瞬間、ギュルルッと私のお腹が鳴った。
数秒沈黙する私達。
どうしてこのタイミングで鳴るの、私のお腹‼
涙は引っ込み、恥ずかしくて赤面すると、蓮くんがハハッと声を上げて沈黙を破った。
「そういうとこ、愛梨らしいな。まあ、焼肉屋で全然食ってなかったから仕方ないけど」
クシュッと私の頭を撫でると、蓮くんはソファから立ち上がった。
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