甘い媚薬はPoison
「えっ?……昔の蓮くん達の家よね?人手に渡ったはずじゃあ?どうやって手に入れたの?」
「いろいろとコネを使って。しばらく使われてなかったから手入れは必要だけど。お前が隣に住んでれば、おじさん達も安心だろ?」
それって……つまり……。
私は蓮くんを期待の眼差しで見つめた。
「お前の心の準備が出来たら結婚しよう。おじさんにはそのこと、話してあるから」
やることが早い。お父さんも蓮くんと話したのなら教えてくれても良かったのに。
「……そこまで考えてくれてたんだ」
「歩にもいろいろ説教されて、目が覚めた。一番欲しいものを手に入れて、一番大事なものを守ることにしたんだ。それはお前だよ、愛梨」
「蓮くん……」
蓮くんにこんなに愛されてると思ったら、感無量で胸が一杯になった。
また私が泣きそうになると、彼は穏やかな目で私を見つめ、愛に溢れた言葉を口にする。
「俺と愛梨で家族を作ろう。まあ、すでにお前のお腹の中にいるかもしれないが」
蓮くんの台詞の後半部分に引っ掛かりを覚え、ん?と首を傾げる。
私のお腹?
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