甘い媚薬はPoison
無表情でそう告げると、歩はキッと鋭い視線を俺に投げる。
「兄貴、こんな調子だと今に燃え尽きるよ。もう俺のことはいい。自分のことを考えてよ。それに、愛梨ちゃんどうするの?好きなんだよね?」
俺の両肩を揺すって決断を迫る歩。
そんな弟をどこか一歩引いた目で見ながら、俺は淡々とした口調で答えた。
「全ての目的を果たしたら愛梨を迎えに行く」
「兄貴ってそういうとこ融通が効かないっていうか、頑固だよね。そんな悠長なこと言ってたら、他の男に愛梨ちゃん奪われるよ。自分の会社に就職したからって他の男のところに行かないとは限らない。その辺のことわかってるよね?」
歩に言われなくてもわかっていた。
だが、朝比奈家の長男としての責任を果たさないわけにはいかない。
無言でいると、歩は今度は俺の胸ぐらをつかんできた。
いつの間にか背も俺と並ぶくらい成長した弟。
普段は大人しいが、ここぞという場面では口を出す。
「兄貴が俺の幸せを望んでいるのと同じくらい俺も兄貴の幸せを望んでる。少しは自分の幸せも考えろよ!」
俺に殴りかかりそうな勢いで歩は顔を近づけると俺を見据えた。
「兄貴、こんな調子だと今に燃え尽きるよ。もう俺のことはいい。自分のことを考えてよ。それに、愛梨ちゃんどうするの?好きなんだよね?」
俺の両肩を揺すって決断を迫る歩。
そんな弟をどこか一歩引いた目で見ながら、俺は淡々とした口調で答えた。
「全ての目的を果たしたら愛梨を迎えに行く」
「兄貴ってそういうとこ融通が効かないっていうか、頑固だよね。そんな悠長なこと言ってたら、他の男に愛梨ちゃん奪われるよ。自分の会社に就職したからって他の男のところに行かないとは限らない。その辺のことわかってるよね?」
歩に言われなくてもわかっていた。
だが、朝比奈家の長男としての責任を果たさないわけにはいかない。
無言でいると、歩は今度は俺の胸ぐらをつかんできた。
いつの間にか背も俺と並ぶくらい成長した弟。
普段は大人しいが、ここぞという場面では口を出す。
「兄貴が俺の幸せを望んでいるのと同じくらい俺も兄貴の幸せを望んでる。少しは自分の幸せも考えろよ!」
俺に殴りかかりそうな勢いで歩は顔を近づけると俺を見据えた。