甘い媚薬はPoison
彼女の下着を取り去ると、自分の欲望のまま彼女を抱いた。それでも避妊を忘れなかったのは、“彼女を守らなければ”という気持ちがまだ心のどこかに残っていたからかもしれない。
静寂の中聞こえるのは、シーツが擦れる音と互いの息遣いと、そして愛梨の声……。
「……蓮くん……好き」
愛梨が俺の首に手を回し、吐息と共に囁く。
「愛梨……」
その言葉で、俺は理性を少し取り戻した。
それからは、愛梨の反応を見ながら無理のないように優しく彼女を愛す。
「愛してる」
俺は初めて愛梨に自分の想いを伝えた。
彼女に聞こえていたかはわからないが、言わずにはいられなかった。
朝目覚めると、愛梨の姿は消えていて……。
「愛梨……」
冷たくなったベッドにひとり残された俺。
一瞬全ては夢かと思ったが、確かにこの手で彼女を抱いた。
愛梨の温もりも肌の感触も俺の身体が覚えてる。
ベッドから起き上がり、床に転がっていたスマホを拾い上げると、時間を確認した。
< 98 / 124 >

この作品をシェア

pagetop