未来(あした)が来るなら、ずっとそばで笑ってて。
「わかったわ‼
圭祐、咲雪を運ぶの手伝わなくていい?」
「いいよ。咲雪軽いから俺だけで運べるよ」
急いで下に降りていった母。
俺は咲雪をよいしょと起こして背中に背負い、足元に気をつけながらよたよたと下に降りる。
ほんの数分前までは本来の役目をまったく果たさずに物置と化していたソファの上に咲雪を仰向けに寝かせた。
このソファがここまで綺麗になるならたまに倒れるのもありかな……
ってそんなこと思ってる場合じゃないな。
俺はポリ袋に氷と水を入れて咲雪の額の上に乗せる。
咲雪はそれですぐに気がつき、二、三度瞬きをしてから当惑した表情で俺の顔を見上げた。
「…………お兄ちゃん……あれ?あたし、どうしたの?」
気がついたか。良かった。
俺は優しく彼女の髪を撫でてやった。
「倒れたの、覚えてないか?」
首を傾げる咲雪。