未来(あした)が来るなら、ずっとそばで笑ってて。
救急車のサイレンを聞いた時から、なんだか嫌な予感がしていた。
そして、救急車が学校で止まった時に、その嫌な予感はほとんど確信に変わった。
咲雪に違いない。
咲雪は、今日の朝すごくだるそうにしていた。
だから、今日は学校を休んで病院に行ったほうがいいって何度も言ったのに……。
「なんか救急車が学校に来たぞ」
悠聖がいつも通りの調子で見たまんまのことを言う。
咲雪との関連性は全く念頭にないんだろう。
俺は、急いで言い訳を考え始めた。
俺の予想通りなら、間もなくその言い訳が必要になるはずだ。
「誰か貧血で倒れたのかもね」
央子が何気なく言ったその言葉は、俺をかなりハラハラさせた。
だけど、悠聖はその言葉から咲雪を連想はしなかったようだ。
やはり、俺の予想通りの展開になった。
『3年C組、緒方圭祐。大至急、職員室に来なさい。
繰り返す、3年C組、緒方圭……」