未来(あした)が来るなら、ずっとそばで笑ってて。
「……立ち上がったとこまでは覚えてるけど……頭が真っ白になっちゃって……」
「だから俺が座って待ってろって言ったのに。
……とにかく、母さんがこれから病院に連れていってくれるからな」
「ん、わかった」
咲雪は不安げな表情を浮かべたまま、一応素直にうなずいた。
そんな顔するな。
咲雪の頭をくしゃくしゃっとしてから立ち上がって時計を見ると。
ちょっとヤバイ時間になっている。
これは、飯を食ってる時間はないな。
しかたない、購買でパンでも買うか。
「さてと、じゃ俺は学校行くけど。
食べれそうならベーコンエッグがあるし、無理っぽかったら何か食べれそうな物なんでもいいからとりあえず口に入れた方がいいぞ」
まさか、腹が減りすぎて倒れたなんて馬鹿なオチはないだろうけど。
「ん。ねえお兄ちゃん、あたしのスマホ、部屋だから悠聖(ゆうせい)に今日休むって伝えてくれる?」
咲雪は俺にくしゃくしゃにされた髪を手で直しながらそう呟く。
「オッケ。伝えとく」
俺は、近くにあったブラシを咲雪に手渡して玄関に向かった。