未来(あした)が来るなら、ずっとそばで笑ってて。
ポケットの中のスマホが着信を知らせる振動を始めたとき、ちょうど俺はバイトの真っ最中。
俺が勤めているファミレスはその日に限ってとてつもない忙しさだった。
団体客が3組も重なってしまったので、ほぼ同時に大量の料理を出さなければならなかったのだ。
だから、スマホが振動していることには気付いていたがあえて無視していた。
かなりの時間振動していたが、やがてきれたスマホ。
俺は、どうせ大事なことだったらまた掛かってくるだろうとさして気にもしなかった。
しばらくして、今度はメールの着信を知らせる振動があったが、それもやはり無視していた。
やっと仕事が終わったときには、かなり夜も更けていて、その時にはスマホの着信のことなどすっかり忘れていたんだ。
思い出したのは家に帰り着いてから、母と二人で遅い晩飯を食っていた時だった。