未来(あした)が来るなら、ずっとそばで笑ってて。
機械的なメッセージが流れるのを俺は呆然として聞いていた。
念のためにもう一度掛け直してみる。
アドレスの相手の名前をきちんと確かめて。
『この電話は電波の届かな……』
最後まで聞かずに電話を切る。
真っ暗になった目の前。
本当に、咲雪は俺を置いてどこか知らない遠くの場所に行ってしまったのだろうか。
「なんだったの?悠聖」
もしかしたら、もしかしたらまだ間に合うかもしれない。
「ちょっと、どうしたの悠聖?どこいくのよ?」
母の声が背中を追いかけてきたが、俺は何も言わずに家を飛び出した。
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