未来(あした)が来るなら、ずっとそばで笑ってて。
「そうだね……。
ねえ、お兄ちゃん。この事、悠聖には言ってないよね?」
咲雪が不安げな表情で確かめるように聞いてきた。
「ああ。とりあえず今日のところは嘘で誤魔化してきた。けど、これからはどうするんだ?」
「……あのね、あたし、さっき悠聖にこのメールを送ったの」
そう言いながら、咲雪が電源を切ってある自分のスマホを俺に差し出してきた。
ビニールの合わせ目から手を入れてスマホを受け取る。
「……見ていいのか?」
「お兄ちゃんには見てもらわないと困るの」
「……どれ」
俺は咲雪のスマホを操作して、咲雪が悠聖宛に送った最後のメールを読んでみた。
そして思わず呻く。
その文章には、咲雪の気持ちが痛いほどに込められていた。
咲雪は、完全に悠聖に対する自分の気持ちを葬り去ろうとしている。
もう、二度と会わない。
そんな決意のもとにこのメールを打ったのだろう。