未来(あした)が来るなら、ずっとそばで笑ってて。
お兄ちゃんは家に帰り、お母さんはしばらく前に用事があると言って病室から出て行った。
一人取り残されたあたしはなかなか眠れなくて、ただぼんやりと天井の一角を見上げている。
窓から差し込む街の灯りが狭い病室の中を淡く照らす。
「あたし、死ぬのかな」
思わず口をついて出てしまった言葉が虚しく響く。
一気に淋しさが押し寄せてきて、あたしはあわてて枕元の照明を点けた。
でも、それだけではやっぱり孤独感や不安を拭うことは出来ない。
「悠聖……。寂しいよ」
涙で視界がぼやけてくる。
悠聖に会いたくて会いたくてたまらない。
「うう……ううー……」
涙が後から後から溢れてくる。
あたしは枕を握り締めて、歯を食いしばった。
「寂しくなるのはわかってたじゃん。悠聖を巻き込まないっていうのはあたしが決めたことなんだから」
そう、自分自身に言い聞かせた。