未来(あした)が来るなら、ずっとそばで笑ってて。
気がつくと、枕もとに置いてあるあたしのスマホの着信ランプが点滅している。
お兄ちゃんがさっき電源を切り忘れたらしい。
どうしよう……と、あたしは一瞬迷ってからそれをそっと手にとってディスプレイを見た。
もし、悠聖からだったら出ないつもりだったけど、相手は茉優だ。
慌てて通話ボタンを押して耳に当てた。
「……もしもし、茉優?」
『あっ咲雪、よかったあ。全然電話が通じないからすっごく心配したんだよ。大丈夫なの?』
茉優の声が、あたしが今まで感じていた孤独感を優しく洗い流してくれる。
「ま、茉優……。茉優……」
嬉しすぎて上手く声が出てこない。
『ど、どうしたの、咲雪?
泣いてるの?どこか痛いの?』
あたしは首を横に振ったが、茉優はここにはいないので口に出さなければ通じない。