未来(あした)が来るなら、ずっとそばで笑ってて。

『治る可能性があるなら、悠聖先輩にも教えるべきだよ。咲雪が……そんな大事なことを隠してたって知ったら、悠聖先輩、悲しむよ』



そんなことわかってる。


でも、あたしはたぶん死ぬ。だから、悠聖と別れたんだ。



「……ずっと、あたしに移植できる骨髄を捜してるんだけど、見つからない。体の具合もどんどん悪くなっていくし、……正直、今のあたしには強い抗癌剤の治療に耐えれる自信もない……。

……このままだと、たぶんあたし死ぬと思う。

それなのに悠聖に教えるの!?それじゃあ悠聖が………」



あまりにも酷すぎる。
そんな辛い役回りを押し付けられたら悠聖が可哀想すぎるよ。


いやだ。あたしは悠聖の重荷になりたくない‼



『それで本当にいいの!?』



茉優がとうとう泣き出してしまった。



『いい?本当に助けが必要なのは悠聖先輩じゃなくて咲雪なんだよ!

それに、まだ死ぬって決まったわけじゃないんだから、軽々しく死ぬなんて言わないでよ‼』



ま、茉優?

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