未来(あした)が来るなら、ずっとそばで笑ってて。
本人ならばなおさらだろうということで、この結果は咲雪には知らされていない。
骨髄移植が当てにできないとなると、咲雪は抗癌剤による薬物療法に頼らなければならなくなるが。
抗癌剤はとても強い薬なので副作用も出るし、何よりも薬に耐えられないという可能性もある。
とにかく、咲雪の戦いだから、俺達家族に出来ることはほとんどない。
でも、俺にはただ見守っているだけなんて耐えられない。
それで、自分に出来ることを色々考えてみて、出た結果がこれだ。
俺は完成した原稿を1枚印刷してみた。
B5サイズのPPC用紙に印刷されたそれは、まあ満足できる出来栄えで。
俺はすぐに30枚を印刷した。
その内容は骨髄バンクへの登録を呼びかけるもので、これから毎日放課後に街中でこれを配るつもりだ。
このビラを見た人のうちの幾人かでも骨髄バンクに登録してくれたら。
その中から咲雪に適合する骨髄の持ち主が見つかるかも知れないからだ。